VALUってなに?
5月31日にローンチされた画期的なサービス「VALU」。個人が会社のようにVALUに上場することで、株のようなVAというVALUの中で取引される単位を他のVALU上のユーザーから購入してもらうことでビットコインによる応援がしてもらえるということ。
VALU運営は言葉を選んでいますが、実態としては個人がビットコインで資金調達をできるプラットフォームなのです。
しかし、日本には金融や証券取引に関する法律があるので、一歩間違えると違法認定されたり、規制の対象になりかねません。そのため、VALUの創設者はサービスローンチ前に金融庁に足繁く通って法的に問題とならないように試行錯誤してサービスをローンチしたそうです。そのかいあって、VALUは特に政府関係の機関からちゃちゃを入れられることなくローンチから約半年たった2017年10月末現在もサービスを継続できています。しかし、その中で議論されている問題があるのです。
VA売買の硬直化
VALU代表の小川さんはインタヴューでVALUの取引はあえて今の段階では抑えているということを話していますが、まあ、売買がされづらい状況になっているんです。その理由を列挙しましょう。
・VA上限はサービスを開始した当初に決められた発行数(100VAとか1000VA)とか売り切ったら終わり
・VA売買自動化ツールが横行して、新人が上場した瞬間にVAを購入して、翌日最高値で売り抜けられる行為が横行
・上記の自動売買ツールの行為で新人がVALU離れを起こしたり、本当に応援したい人が高値でVAを掴まされたりして購入行為のリスクになっている
・VAが売れたあとはVA主にはなんら金銭的なメリットがないため、多くのユーザーが自身のVA取引のその後に無頓着
みたいなところが大きな問題となっています。要はVAの購入に際して価格が高くなっても打開策はないし、購入リスクが大きかったりしたり、自身のVAが市場で流動的に動くことに対してVA主にインセンティブが何にもないんです。そりゃ硬直化します。
ただし、VALUにはこの数ヶ月で大きな財産も残しました。それは繋がり。
VALUでの繋がり
VALUには現在2万〜3万人ほどのユーザーが登録しているそうです。そのユーザーたちの中でVALUでコミュニケーションを取ったりVALU外、例えばTwitterやFacebookでコミュニケーションを取る人たちがではじめ絆が生まれました。VALUに参戦してコミュニケーション取っている人の特徴は新しいものへのキャッチアップが早く、行動力がある傾向があります。
ですので、その中で生まれた絆は強く、刺激的なのでその点が評価されていたりします。日本国内外問わずイケてる人が集まり、職業もバラバラだったりします。クリエイター、経営者、有名人、サラリーマン。通常の日常生活では会うことのない人達が集まって、交流していて、VALUの特性上、「暗号通貨」、「インターネット」、「クリエイティブ」みたいなところに興味関心がある人が多いため、話が合うんですわ。僕もVALUはじめてから今まであんまり使ってなかったTwitterに頻繁にログインして他のVALUERさんと交流する機会が増えました。
その為、一部では「VALUはSNSとして価値がある」という意見がではじめ、ビットコインによるVA売買の機能拡充よりもSNSとしての機能拡充を望む声がではじめたのが最近の傾向です。
ここで、VALUはSNSとしての機能拡充か?売買を円滑にする仕組みや機能拡充か?という議論が生まれました。
VALUはFacebook並みの機能とツイッター並みのスピード感とインスタ並みの見栄えするSNSになって欲しいと思う今日この頃 https://t.co/8s9DDKPAOY
— 小池侑鋤 (@lifestar021) 2017年10月23日
確かにこの意見もわかります。僕もVALUでできた繋がりで大分多くの価値ある情報や、刺激のあるコミュニケーションを享受しているので、VALUのSNS的な機能拡充がされればさらに多くの人との出会いのチャンスが生まれるなと思っています。しかし、優先順位的には僕はVAを売買取引の円滑化だと思うんです。理由はこんなかんじ。
どこに向かうかですね。個人的にはvaluはVA取引きのしやすさ一点集中で良いと思ってます。デジタル業界にいるからわかるんですが、ただのSNSだと、Facebookはじめとするアメリカの凄腕エンジニア集団には勝てません。それは90年代中盤に「最高の固定電話作るぜ」みたいな感じ。 https://t.co/5ggPxP4WwG
— でんちゅう@ベトナムVALU (@DenchuAsia) 2017年10月24日
リメンバーmixi
mixiというSNSを知っているでしょうか?
現在はゲームなんかを作って有名なミクシイなんですが、もとはSNSを作っていた会社なんです。マイミクというFacebookでいうところの友達機能を持っていて、自身のフィードにはマイミクたちの投稿が流れてきます。コミュニティ機能が優れていて、1つのテーマでコミュニティーを作ると中に掲示板のように子テーマでどんどんスレッドを立てることできてそこに意見を書き込んだり、交流したり、オフ会とかすることもできちゃうみたいな、「日本人に最適化されたようなSNSをでした。」2005年のサービス開始から6年で2000万人のアクティブユーザーを集めたんです。
世界ではTwitterやFacebookも現れ始めましたが、誰もが「日本にはmixiがあるからFacebookは流行らない」と言っていたんです。信じられないでしょうが、IT業界の権威みたいな人から猫も杓子もみんなそう言ってたんですよ。僕も事実その当時はそう思ってました。
Facebookに登録したけど、「mixiの方が良くね?」でも事実は違いました。SNSの本質をとらえてなかったのです。SNSの価値とは「どれだけ繋がりが多く持てるか?持ちやすいか?」つまるところこの1点なんです。
FacebookはSNS界では後発でしたが、シンプルなインターフェースと使いやすさで欧米のたくさんの人を集めました。有名人、有識者を含む多くの人を集めたんです。徐々に日本人もその事実に気が付きました。「mixiにいるよりもFacebookにいたほうがより多くの人の情報をみれる、そしてつながりやすいし、みんなやってる」ということでmixiは日本人から捨てられてしまったんです。
その根幹を支えているのは凄腕エンジニア集団天才みたいなエンジニアがごろごろFacebookの機能を作り上げてきて今でも毎週のように小さいテストが繰り返されています。そこにVALUが入ってきて、SNSとして勝つことはちょっと考えづらいです。
じゃあ、VALUのコアバリューとはなんなのか?やはり「個人が株式会社のようにVALUに上場できてVAの売買を行うことで資金調達ができる、購入した人はのちにVAの価値が上がれば利益が出せる」ここでしょう。
ですので、リメンバーmixi。SNSとして機能を拡充させた先にあるのは世の中でさらに注目されたときにFacebookによって買収されるか、中途半端な個人ICO機能をFacebookに本気で真似されて「はい、おしまい閉店ガラガラ」。です!
結論として、VALUがキラッと光るコアバリューを持って長く多くの人に指示されるサービスになるためには、SNS機能とかアプリ機能とかはほっておいてとにかくどうやったら円滑にシンプルに流動的にVA取引がされるかを徹底的に考えて、実装することだけに尽きるんじゃないでしょうか?
僕はそう思っているので、VAが取引を円滑化するほうに集中してほしいとTwitterを中心にわめいているわけです。
最後にVA取り引きが円滑化するアイデアをいくつか書いておきたいと思います。
分割
VA取引単位の分割、1VAの価値が1万円なんて個人では買えないので、例えば0.1とかコンマ単位でVAを買えるようにする。
増資
VA増資、VAを安く売りたくないVA主は限りあるVAをできるだけ高く売ろうとして出し渋りをします。上場当初に買いたかった人は値段があがると興ざめして買わなくなります。これが悪循環の根っこなので、増資できるようにしてしまえばいいのです。
VA取引手数料をVA主に還元
VA主からはなれたVAが取引されればされるほど、VA主に手数料が入る仕組みを作ればVA主自身が流動的にVAが流れるように工夫をし始めます。
自動売買ツールの禁止
冒頭で説明したとおり、自動VA売買ツールは新人のVALU離れを発生させ、購入者の意欲もそぐため禁止すべきです。
こんなところを改善するだけでVALUの中でのVA流動化は一瞬で解決できるはずです。VALU運営の人たちはご一考いただけると幸いでございます。