大手広告代理店の電通がシステム開発拠点をベトナムに作るそうです。
株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役副社長執行役員:中本 祥一、資本金:746億981万円)は、日本国内市場向けデジタルマーケティング領域でソリューション開発運用体制を強化・拡充するため、ベトナムのEVOLABLE ASIA CO., LTD.(本社:ホーチミン市、代表取締役社長:薛 悠司、以下「エボラブル・アジア社」)との共同出資により、同国に新会社「DENTSU TECHNO CAMP CO., LTD.」(本社:ホーチミン市、以下「電通テクノキャンプ」)を設立し、4月1日より営業を開始します。
背景には日本のエンジニア人材不足の深刻化が影響していると思います。
日本 :81.9万人
アメリカ:357.3万人
中国 :327.3万人
全人口の違いがあれど、アメリカ・中国のシステムエンジニアの数の3分の1程度しかエンジニアがいない。というのが日本の現状です。一方ベトナムには理系トップの大学を卒業したエリート層がシステムエンジニアになり、外資系の開発会社へ就職する流れができています。そのため現在ベトナムにはオフショア開発と呼ばれる形式で日本のシステム開発会社がこぞって進出してきているんですね。
さらにベトナムが選ばれた理由を考察していきましょう。
人件費が安い
ベトナムはGDPが毎年6%以上成長しているノリにノッている国ですが、まだまだ人件費は安いです。新卒の初任給はエンジニアでも400ドル程度、ある程度経験のあるプログラマーで1000ドル程度、リーダークラスは1500ドル程度、PMクラスが2000ドル程度です。この給与水準は日本の1/4から1/5と言ったところでしょう。ですので、給与だけでみたら日本で人材を集めるよりコストがかからないというメリットがあります。
優秀な人材が多い
さきほど、少し触れましたが、日本で言えば東工大とかにあたる理系トップの大学がハノイ工科大学なのですが、こういった大学を卒業した学生はことごとくIT系の企業に就職する流れができています。なぜなら、他の会社、他の業種に就職するよりお給料が高いですし、国がIT立国させようと推進しているからです。今、システム開発の会社も多くなってきているので、採用難易度は徐々に上がってきてはいるものの日本企業のネームバリューは強いです。僕も1年前にがっつりエンジニアの採用をしたことがありましたが、名も無きベンチャー企業でも日系ブランドを出したら十分日本のプロジェクトマネジメントをできる英語人材が採用できました。
ネクスト・ハノイ
でもね、個人的に思うのは電通さんには単純にオフショア開発だけやってほしくない。アジラの木村社長みたくね。
はてなブログに投稿しました #はてなブログ
ハノイを人工知能(AI)開発の聖地にしたい – アジアのゴジラhttps://t.co/NtzhRnSfG3 pic.twitter.com/aDAscZGKrQ— アジラ公式アカウント (@asilla_love) 2017年3月21日
ベトナムに好きで来ている時点で、0.1%くらいの希少人材になるので人生勝ったも同然ですよ。知らんけど。
— アジラ木村 4/2➔Tokyo (@kmrdai) 2017年3月24日
正直言っていいすか。
オフショア開発なんてクソよ!バカしかやりゃしないわ!
ベトナムの人件費がいくらで上がっているか年10%ですよ。経費削減で来るにはおそすぎる。そして、単純なコーディングはどんどんAIに仕事を取られていくと思います。ベトナムでは本当に優秀なトップ中のトップはオフショア開発会社なんかに興味はなく、多少給与が安くても事業会社や新しいテクノロジーが使える会社で活動しているのです。
そんな流れから、これからハノイは最先端技術を使うITビジネスが盛り上がって、もしかしたら世界をリードする会社やサービスが誕生するかもしれないと個人的には思っています。
電通さんがオフショアで入ってくるのは今はいいと思うんですが、ネクスト・ハノイを考えて取り組みを広げていってほしいものですね。