ベトナム人が日本で増えている理由

日本で最近増えているベトナム人。コンビニ店員の名札を見て、ゴック、ドン、トアン、アイン、なんて書いてあったらベトナム人です。

最近人材系の情報に触れる機会がありましたので、今日はどんな事情があってベトナム人が日本で増えているのかまとめてみようと思います。

ベトナム人留学生が爆増

実はここ3年あまりでベトナム人留学生の数は爆発的に増加しました。

2013年:6290人
2014年:2万6439人
2015年:3万8882人

2013年と2015年を比較すると6倍以上です。背景にはベトナム人の所得増加により、海外への留学をさせられる家庭が増えたことと、中国人留学生の数が伸び悩む一方で今後増加が期待できるベトナム人留学生へのサポートに注力する日本語学校が増えてきているという事情があります。

日本語学校はベトナム人留学生の紹介に対して、1人あたり500ドルから多い所では2000ドル程度の報酬を出してベトナムから人を募集しています。なので、この2〜3年でベトナムにある留学サポートサービスは乱立状態です。日本への留学支援サービス会社が乱立、利益大きく

しかし、留学支援サービスは結構悪徳業者も多く、生徒から必要以上のマージンを受け取っている会社もあり、問題になっています。中には100万円を超えるマージンを生徒から取って日本へ送り出している企業もあります。所得水準が上がりつつあるとはいえ、まだまだベトナムで100万円という金額は高額で留学生の中には両親・親戚から借金をする人もいるといいます。まっとうなサービスを正しく利用する情報が周知されていないのが現実なようです。

ベトナム人労働者の増加

日本で就業するベトナム人労働者も増加傾向にあります。背景には過去、日本に出稼ぎに来ていた中国人が「母国、中国で充分に稼げる状態」になったことで帰国していることや、日本の人材不足が深刻化して、新日で日本語話者も多いベトナム人に注目が集まっていることが影響しています。

IT業界でもベトナム人エンジニアは年々増加傾向にあり、ITの特性上リモートワークでベトナムにいながら日系企業の案件をこなしたり、ラボ型開発という形態で雇用されているケースも多々あります。

また、第一次産業のベトナム人採用ニーズは非常に高いそうです。地方の人材不足が深刻化した農村地帯や工業地帯ではベトナム人人材の雇用に熱心になっていて、1人採用すると60〜100万円程度の報酬を出すところもあるといいます。そして、留学生同様、ベトナム人人材個人からもお金を取る業者がいるといいます。

まさにグレーゾーンな仕事だと思いますが、ひとりあたりから50万円〜100万円の費用をもらって日本の仕事を紹介するというサービス。日本人の感覚からしたら考えられませんが、ベトナムにいれば月収200ドル程度で働く他に選択肢がないベトナム人にとってはたとえ最低賃金ギリギリでも日本の月収1800ドルとか2000ドルの仕事をできることには大きな金銭的なメリットがあります。

ベトナム人労働者の中には親戚中駆けずり回って100万円を集めて応募してくる人材がかなりの数いるようです。具体的なデータはありませんが、ホーチミンのある企業では年間500名以上をそのようなビジネスモデルで送っているといいます。企業からの報酬と本人からのサービス費用を合わせれば200万円くらいの売上になると思われます。500名も送れば売上10億円。ということもあり、いわゆる人材の派遣ビジネスを行うベトナムの企業はベトナム国内に100社以上あるそうです。(JITCO

まとめ

ベトナム人が日本で増えている理由にはベトナムが経済発展していることと、日本での人材不足が大きく関係しているようです。ただ今のところ日本側の学校や会社とベトナム人をつなぐ全うな仕組みが全然整っていなく歪んだ報酬形態が存在することもわかってきました

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