グエン・タン・ズン首相はこのほど、2016~2020年に適用する新貧困基準を発表した。同基準は、収入や基本的な生活保障などの指標に基づいて貧困レベルを決定している。
それによると、1か月当たりの収入が農村部で70万VND(約3800円)以下、都市部では90万VND(約4890円)以下の者を貧困層と定めている。2011~2015年の貧困基準では、それぞれ40万VND(約2170円)以下、50万VND(約2720円)以下に設定されていた。
ズン首相が発表した新しい、貧困層の基準をみて驚きました。
一ヶ月の収入が70万VND(約3800円)以下ですよ。いままでちゃんと調べたことがなかったのですが、ベトナムではここまで来て初めて貧困層と定義されるんですね・・・。
日本では生活保護受給で20万円とかそれ以上のお金を毎月国からもらって生活している人が生活が苦しいとかっていって議論になったりしていましたが、この水準で生活している人が世界にはいるんですよ。
人っていうのはきっと、水準を一回あげてしまったら、なかなか下げられない生き物なのかなあと思います。年収1,000万円の人でも預金がほとんどないという話をたまに聞きます。お金の使い方が年収があがるごとにハイグレードになって下げられなくなってしまい、お金がたまらないんだそうです。20万とかもらって、苦しいといっている生活保護受給者の人の意見も本音だと思います。月額20万円の収入に即したグレードの生活をして簡単には下げられないから、”苦しい”と言っている。そういう人は一回、東南アジアで生活してみると良いと思います。
ハノイはベトナムの首都なので所得水準もベトナム平均と比べるとやや高いです。それでも大卒の新卒初任給は数万円ですよ。ITの仕事に携わる人は平均より上だと思いますが、それでも5万円くらいです。日本で名のしれたIT大手の社員さんとかでも4万円の月収からスタートする人はざらにいます。
でも、みんな楽しそうなんですよね。生き生きして飯もちゃんと食って、友人と遊んだり、仕事も一生懸命やってそれで5万円のお給料の中でやりくりしています。5万円の価値っていうのはこの国で言ったら十分な所得なんですよ。だからベトナム人の20代の若者に日本では20万円働かずにもらって苦しい生活をしている人がいるって言ったらびっくりすると思います。
もちろん、体や精神に障害があって働けない人はしょうがないです。でも健康体でブースカ言っている人は冗談抜きでベトナムODA月10万円で貢献してもらったほうがいろんな意味でいいんじゃないかと僕は思ってしまいますねえ。月10万でもこっちじゃ超高給取りですから、大卒初任給の2倍ですよ。お金がなくって苦しいなんてことは言えないですよ。